北欧スウェーデン発森の教室: 生きる知恵と喜びを生み出すアウトドア教育
編著: アンディッシュシェパンスキー ラーシュ・オーヴェダールグレン スヴェッレショーランデル
訳: 西浦和樹 足立智昭
【要旨】
本書は、大自然を教室に見立てた体験型の環境の中で学習の基礎を養い、教科書中心のインドア教育を補完し、主に幼児から中学生までを対象にした保育や教育の方法を実践的にガイドしてくれます。自然への愛情がもたらす健康の促進やストレスの軽減、集中力の向上などの効果もエビデンスをもって示されています。子どもの未来と持続可能な社会の発展のためにどんなような学習方法があるのか、アクティブ・ラーニングへのヒントも満載なので、そういった教育関連に携わってる方や自然に関わっている方には、是非一度読んでいただきたい書籍です。
【感想】
Nature to Future 2021の全体顔合わせで、ブレイクアウトセッションに分かれて自然×○○について参加してくださった方々に考えてもらい、案を出してもらった際に、自然×教育という案が出て、「近年、スウェーデンでは、森の中で授業しているらしい」というお話を聞き、そのことについて書かれている本書を見つけたので、今回読ませていただきました。本書の第3章「子どもと自然」では、自然豊かな多様性のある学習環境がストレスを減らし、集中力を高めるという証拠を提示しています。トルスランダ地区のスネッケベルゲッツ学校の子どもたちは、日常的にアウトドア教室を繰り返し訪問することで、季節の変化や自然循環を体験的に学習することができました。これは、単に自然に「触れる」「親しむ」「関心をもつ」という浅い体験活動ではなく、「自然循環」という全体図を示し、日常の教育活動として子どもたちに自然循環の中で生活するということを保障しようとする強い姿勢が感じることができたからです。最近の子どもたちは、自然と触れ合う機会が少ないと思うので、こういった経験をもっと多くの子どもたちにしてもらいたい、Moribitoの企画に新しく取り入れてみたい。そんなことを感じさせてくれる書籍でした。
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