作: ゆのき ようこ
【要旨】
『山のごちそう どんぐりの木』という絵本は、コナラの木が1年を通して成長する姿を見ながら、そこに集まる生き物との繋がりを知ることができる絵本である。簡単なあらすじは、 以下の内容である。
冬、コナラの木は枝先にたくさんの芽をつけて、春を待っています。
芽のなかに大切な宝物を守りながら。
春になると芽がふくらんで、やがて小さな葉が顔を出します。
“め花”が受粉してどんぐりが育ち、秋になると風にゆすられてパラパラと落ちてきます。
コナラの木が春夏秋冬、虫や鳥や動物そして人間に、ゆたかな恵みを与えてくれる様子が描かれます。
【感想】
このように、『山のごちそう どんぐりの木』は、コナラの木が1年を通して成長する姿を見ながら、そこに集まる生き物との繋がりを知ることができる絵本である。たとえば、オトシブミという虫がコナラの葉に卵を生み、生まれてくる幼虫の「ゆりがご」にする。そして、幼虫はその葉を食べて育ち、葉を食べて大きくなった幼虫が、今度は鳥のえさになる。このように、ストーリーを追うことで、食物連鎖を感覚的に学ぶこともできる。最後は、ねずみが落ち葉の下に隠したどんぐりが、春になって新しい木の芽を出すといった、コナラが生き物から受ける恩恵も描かれていた。物事について“知りたい”欲が育ってくる幼少期では、自然に関しても、より掘り下げて考えたり、調べたり、自分の知識として体系化することだろう。そんな時期に、この絵本をおすすめしたいと感じた。また、Nature to Future2022では、体験教室のみではなく、絵本ブースや図鑑ブースを作るのもいいと感じた。それについても、考えていきたい。
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