保屋野 初子
【要約】
里山は、経済成長と物質的ゆたかさを追い求めた日本のあゆみのなかで衰退し続けてきた。コロナ禍は都市勤労者の視線を里山地域により向かわせる機会となったのではないかと思われる。コロナ禍の大都市でのステイホームのストレスは、日常的に自然的環境とかかわれる時間をもちたいと思う人を増やしたかもしれない。自然環境は人間と社会の福利のインフラであるが、人間と自然とのかかわりは里山においても「生身」であることは困難でもある。「できるだけ」地産地消し精神的なつながりももつことでよしとする「半身」のかかわりを許容する時代が訪れたのではないかと考えられる。
【感想】
里山保全や自然とのかかわりを考えると、自然の中に完全に身を置いて生活することが必要であるという印象がある。しかしながら、活動に参加する中で各々が気軽に参加し、日常の中に自然があるという印象に変わった。それは、ボランティア活動をしたいからという理由や自然に癒されたいという理由など様々な動機がある。都市化が進む現代だからこそ、精神的ゆたかさをもたらす自然との共生を作る機会を大事にしたい。
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