【要約】
地域団体が開催するイベントが、人々の生活にどのような影響を与えているのかを本稿では分析する。滋賀県守山市で開催されている「ほたる祭り」の社会的効果を分析している。
調査データとしては、2015~2017年の3年間調査を行っている。2015 年では男性73 名、女性92 名の計165 名、2016 年では男性29 名、女性84 名の計113 名、2017 年が男性27 名、女性57 名の84名であり、3 年間の合計回答者は362 名である。家族連れや女性同士の来場者が多い。調査項目としては、性別や年齢、居住地などの基礎的な情報に加えて、来場回数、同伴者、イベント情報の入手方法などである。また、ほたるを見たことによる環境意識の変化なども調査している。
このイベントによる効果としては、来場者が地元住民に迷惑を掛けずに鑑賞するための社会的秩序の形成を促していることや、ほたる生息地の環境保全に貢献したこと。地域ネットワークの形成などが挙げられる。
【感想】
Moribitoとしてもイベント参加者の環境意識の変化について、定量的に評価をしたいと考えている。本稿は、それに向けた勉強になると感じた。興味深かった点として「イベントの開催をめぐりNPO が介在したことで、住民だけでも行政だけでも成し得ることができなかった現代的な地域社会秩序の構築に成功したということである。」という記載があった。環境保全における大きな課題のひとつでもある、行政と環境保全団体の連携不足を解決する糸口が見えたように感じる。これをMoribitoとしても実現できるよう、活動していきたい。
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