【要旨】
本書は、環境保全活動を中心に「環境問題」「環境問題の特性である外部性」「解決手段としての経済学の基礎理論」「環境問題への取組み活動の環境NPOの役割」「環境NPOの実態と課題」「わが国のフィランソロピーの歴史」「NPOの存在の理由」をテーマに議論がなされている。フィランソロピーとは博愛・慈善を意味するが、現代ではより広く「個人や団体が、教育、研究、医療、福祉、環境保全、芸術などのために寄付金の拠出や、ボランティアの奉仕活動をしたりする非営利の社会貢献活動のことをいう」と定義されている。こういった活動は、日本では大正時代から行われている。そういった活動が現代まで続き、NPOとして活動がなされている。そういった活動においても、いくつかの課題があり、本書ではそれらについて言及されている。
【感想】
本書の中では、環境NPOを「自ら循環型社会の形成に資する活動を行うことを通じて社会的な信頼性を高めるとともに、各主体の環境保全活動のつなぎ手としての役割を果たすことが期待されている」としている。その環境NPOの課題として、環境NPOがやりたい活動と環境問題に対する社会のニーズの乖離を指摘している。これは、Moribitoの活動でも感じるところが多々ある。問題意識を持ち、活動としてやってみたいことを呼びかけてみても、反応がいまいちな時がある。これは、まさにこの乖離が生じてしまっているときだと感じた。まずは団体として社会に認知され、社会課題の解決に貢献できるよう、メンバーだけではなく他の保全団体や市民との交流は欠かせないと思った。
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