【要旨】
本稿では、経済社会における生物多様性に向けた政策について紹介し、今後の生物多様化の主流化に向けた議論がなされている。生物多様化の主流化の意味は、国民の意識や理解、消費者の意思決定、地方自治体・地域の取り組み、企業における取組などに着目し、それらの意思決定において、生物多様性の視点が組み込まれていることを指している。生物多様性という言葉の認知度としては、2009年の調査では36.4%であったが、2012年には55.7%まで増加している。しかし、2014年には46.4%と落ち込みを見せている。地域・地方自治体の取組としては、都道府県、市町村ごとに策定される「生物多様性地域戦略」がある。これは、生物多様性の保全と持続可能な利用の計画である。この策定は、着実に進められている。環境保全において、高齢化・人口減少は地域産業の停滞を引き起こす。さらにグローバル資本主義の拡大によって、経済的効率化が求められるため、地域固有の自然資源の価値が減少してしまう。こういった中で、自然資源を持続的な形で活用し、地域経済を支えることが求められる。
【感想】
少子高齢化やグローバル資本主義といった社会の流れが、自然環境保全に悪影響を与えていることは明確であることが分かった。人々の豊かさを追い求めているはずが、心の豊かさを忘れてしまっているようにも感じる。特に日本においては、その二つの社会の流れが大きい。よって、自然環境保全の視点においても諸外国以上に、これらへの対策を整備する必要がある。まずは、1人でも多くの国民が関心を持つことが大切だと考える。
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