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【6月書籍】 抵抗と創造の森アマゾン 小池洋一・田村梨花

【要旨】

アマゾンは、人間の経済活動によって深く傷つけられており、森林破壊が進んでいる。その要因としては経済活動としての直接的な開発や、地球温暖化の促進によるものが挙げられる。また、アマゾン周辺地域においても、貧困・失業・格差問題などの社会課題も顕在化している。本書では、アマゾン周辺地域で行われている、農業やエネルギー、教育などの様々なプロジェクトを紹介している。これらのプロジェクトは、これまでの支配的な略奪型開発モデルから、持続可能な開発モデルへの転換を提示している。


【感想】

グローバルサウスについてや先住民族との関係性など、持続可能な社会に向けた取り組みを、アマゾンという視点から学ぶことができた。その中でも、デザインの転換についてはとても興味深かった。これまでのデザインは、結果として輸出振興、大量消費の促進、商品の差異化・高付加価値化などを生み出してきた。その一方で、失業や貧困などの問題も発生している。こうした中で、生態系を重視し、環境負荷の軽減を目指したデザインへと変換が進んできている。また、それは先住民族の文化活動を促進させることにもつながっているとされていた。森林破壊や土壌汚染など、アマゾンの環境問題とは離れて考えてしまっていたデザインについて、新たな視点を学ぶことができた。表面上のデザインだけではなく、その商品やサービスがどうデザインされてきたのか、しっかりと見極めていく必要があると痛感した。

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