A teacher who knows me: The academic benefits of repeat student-teacher matches
Andrew J. Hill, Daniel B. Jones
【要旨】
生徒と教師の親密さが増すことで、小学生の学業成績が向上するという研究を行っている。本研究では、ノースカロライナ州の行政データを用いて分析している。1997年から2013年の間にノースカロライナ州の公立小学校に在籍していた3,4,5年生の生徒とその教師に関するデータである。データには、性別や人種など様々な背景を持った生徒が含まれている。生徒の担当になる教師が、1回目と2回目で同じ教師だった場合、親密さが増し、生徒のテストスコアも正に有意であることが分かった。また、クラスメイトの多くが教師との親密度が高い場合、その教師が1回目の担当である生徒のテストスコアも上昇している。これは、教室内の学習環境の改善が、生徒のテストスコアに影響を与えていることを示している。
【感想】
生徒と教師の親密度がテストスコアに与える影響は、小学校に限る話ではないのだろうなと思う。教師との親密さが増すことで、質問をしやすくなるなどといった影響があるからこそ、成績が伸びるのだろうと、自身の経験からも感じた。授業においても、分からないことをそのままにしておくことは良くないが、その場で質問するためには、教師との関係性や教室の雰囲気も少なからず影響してくる。そういったことを定量的に評価している本稿は、大変興味深かった。環境保全活動を子どもたちに広めるにおいても、そういった子どもたちとの関係性構築が、一つポイントになると思う。
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