【要旨】
本書では、生物多様性を「生物資源」と人類の「生存基盤」、そして「地球公共財」として位置付けをして論じられている。生物資源を巡る先進国と途上国などの国家関係や、グローバル企業による生物資源の支配構造なども、大航海時代にまでさかのぼり考察されている。次に、生物多様性を保護するための国立公園などを巡る政府と先住民・地域住民との軋轢などが紹介されている。そして、生き物や自然と人間の関係性を、便益や倫理といった視点から考え直している。その後、将来に向けた自然との共存について触れられている。現代社会において、生物多様性の重要性を理解しつつも、日々の生活でそれを意識する人は少ないと思う。そういった人に、一度読んでいただきたい書籍です。
【感想】
まずは、自分事として環境問題を捉えていかなければならない。国家や企業など大きな組織の視点で、環境問題を考えられることが多いが、その根底にあるのは人間と自然の関係性であり、それは支配的なものではなく共存関係である必要がある。地球規模の問題として、環境問題は取り上げられているが、やはり1人1人が課題意識を持って行動をすることが求められる。そんなことを感じさせる書籍であった。
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