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【8月書籍】ないないづくしの里山学校 泥んこ、危険も生きる力に 岡本央

【要旨】

千葉県の木更津市に木更津社会館保育園という施設を舞台に、50年前であれば当たり前だった日本の子どもの世界を現代風にアレンジし、土曜日学校という形式で、子供にとっての自然の大切さを教えてくれる内容となっている。木更津社会館保育園では、プラスチックのおままごとセットや、おもちゃといったものは一切なく、用意されたものは自然のみ。しかし、子供たちはそういった環境の中で、遊べることを自らで探し、おもちゃを作ったり、人と協力して秘密基地を作ったりと創造性の豊かな遊びをしている。AIの苦手とする「思考力・判断力・表現力」と「主体性」というものを、現代の教育方針とは異なった方向でアプローチをして、その能力を養っている。

【感想】

バリアフルな環境を子供に用意してしまうと、危険性が高すぎるのではないか。と考えていたが、そういった環境を用意することで、子どもたちは、実際に怪我や火傷などの痛みを通じて、同じ過ちを犯さないよう気をつけるようになる。そうすることで、上級生は先輩としてすくすくと育ち、新しく入ってきた下級生の子達にも危ない行為に対しては注意を促すようになる、こうして、徐々に子供達の社会が、木更津社会館保育園では生まれているのが非常に興味深かった。現代の自然教育では、そういった痛みの伴う遊びの経験が失われつつあることを痛感したとともに、子供の創造力の高さを高める自然の素晴らしさを感じる内容であった。


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