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【9月 日本語論文】 河北潟の自然再生に関する住民アンケート調査結果の分析 高橋久

【要旨】

本研究では、河北潟の再汽水化を目指すにあたって地域住民の合意が不可欠であることから、河北潟の環境問題と再汽水化についての住民意識を測るアンケート調査を実施している。調査データは郵便及びポスティングにより調査票を送付し、291通を回収している。調査項目としては、①河北潟の水質及び生態系いついての意識、②過去及び現在の河北潟との関係性の有無、③河北潟を再汽水化することの意見、④河北潟に関する知識の程度、⑤理想とする河北潟の将来像についてである。結果としては、まず河北潟の水質についての意識には年代による差が見られた。若い人(10~30代)ほど水質は問題ないと考えている人が多かった。また、再汽水化に対する意識としては、「農業用水として河北潟の水を使っている」方々の方が塩害や水害を心配し、再汽水化に反対をしていた。これらより、河北潟における環境問題に取り組むためには、自然体験が世代を超えて行われ、体験を通して学ぶ機会を持つことや、再汽水化によるリスクと回避策について説明責任を果たすことが求められるとしている。


【感想】

Nature to Future 2021にもご参加いただく予定の河北潟湖沼研究所で実施された調査ということで、今回読ませていただきました。世代を超えた自然体験を提供していくという点は、Moribitoの活動からも感じられることだった。現代の若年層は比較的、自然の中で遊ぶという経験が少ない。自然の中で遊ぶことで、学ぶことはたくさんあるはずである。そこで学んだことを大人になって活かすという方も多くいらっしゃったが、そもそもの自然の中で遊ぶ機会が失われてしまうと、環境保全活動の担い手が少なくなってしまう。自然が最も素晴らしいというつもりは全くないが、スポーツやスマホ、漫画と同じく遊びの選択肢の中に自然も持っておいていただきたいと改めて感じる。

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