【要約】
中国の武漢市から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID19)について、「予防」という言葉はよく使われている。いっぽうで、「ヘルスプロモーション」という言葉はあまり使われていない。しかし、アウトブレイク時のヘルスプロモーションについて論じた著書がすでに発行されており、アウトブレイクの際にはヘルスプロモーションを重要視すべきである。ヘルスプロモーションの大きな役割は「人々を巻き込み、皆がより健康的に、かつ安心して暮らせるような管理力をより強く獲得できるようにすること」である。ヘルスプロモーションが目指しているのは、病気の発生を防ぐだけでなく、何らかの病気にかかってしまった際にも、生き生きとした暮らしを送れるように支援することである。ヘルスプロモーションは、行動変容やエンパワメントを支援している。エンパワメントは、自立性を高め、健康になるための個人技術を向上させて、感染症に打ち勝つ力をつけることができる。しかし、エンパワメントは時間を要する。そうした際に、緊急時は行動変容も必要となる。行動変容は日本においても重要視されており、新型コロナウイルスの感染対策として、政府は市民に対して様々な行動変容を促している。一方的に市民を強制するような感染予防対策ではなく、行動変容を促す側が、市民に対し、行動変容しやすい環境づくりが肝心である。ヘルスプロモーションはアウトブレイク後にも取り組めることなので、その活動内容を記録し、次に繋げていくことが私たちの使命である。
【感想】
新型コロナウイルス(COVID19)が流行している今、私自身「予防」という言葉はよく耳にするが、「ヘルスプロモーション」という言葉は初めて知った。日本は、新型コロナウイルスの感染予防対策として、密閉、密集、密着を避けること、マスク着用や、手洗いうがい等が推奨されている。私たちの気づかない間に、行動変容を政府が行っていた。例えば、私のバイト先では、店内に入る前に感染予防対策として、スタッフが検温を行っている。ほとんどのお客様が気持ちよく受け入れてくれるが、ごく少数のお客様は嫌々その行為を受ける。こちら(スタッフ)側が、その行動変容を一方的にお客様に強制しているため、そのようなことが起きてしまう。この問題解決として、「わざわざご協力ありがとうございます。」と笑顔で接客をすると、お客様も心よく受け入れてくれるだろう。そういった小さな気遣いや、行動変容しやすい環境づくりをすることが肝心だなと改めて思った。新型コロナウイルスが終息したとしても、アウトブレイク後に、ヘルスプロモーションにできることはたくさんある。まずは、一人一人が新型コロナウイルスの終息に意識を向け、行動変容を促す側も強制力をもたない環境づくりが必要である。
Comments