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東日本大震災支援のための学生ボランティア活動の課題 :宮城大と兵庫県立大の事例より

更新日:2020年8月30日

野津隆志, 門間由記子, & 宮城大学. (2014). 東日本大震災支援のための学生ボランティア活動の課題: 宮城大と兵庫県立大の事例より. 商大論集, 66(1), 41-52.

(日本語論文 7月分)

【概要】

2011年3月の東日本大震災が起こったのち、全国の大学ではボランティア団体が発足した

。しかし、学生のみの運営では、組織化しても方向性を決める段階等で行き詰まり、継続

が難しいことも多い。関西の大学でも、10団体以上が発足したが、3年後の2014年ではほ

とんどの団体が休止状態にある。学生によるボランティア団体にとって継続することが困

難な課題とされている。ここでは団体発足時の課題、そして発足から3年後の2014年の課

題を挙げている。団体発足時は、想いがあっても行動に繋げる手段やツテがないこと、外

部団体との連絡調整が難しいこと、そして予算確保という課題がある。発足後数年たつと

、メンバーとのミッション共有が困難であること、活動時間を確保することが困難である

こと、そして遠隔地同士の相互交流が困難であることが挙げられている。これらの課題に

対し、学生団体が所属する大学では、授業と連動したボランティア活動や、ボランティア

センターを設置する等して対応している。

【感想】

震災ボランティア団体と、国際協力団体とは内容が異なる部分もあると思うが、抱える課

題は同じであり、種類を問わず学生団体が直面する課題を再認識できた。TSUNAGARU

PARTY、TSUNAGARINGは、各団体の活動内容やミッションについてメンバーが見つめ

なおすことが可能なイベントでる。各団体の活動の潤滑油となるイベントとなれるように

、私自身も尽力したい。団体発足数年後の課題として挙げられていた「遠隔地同士の相互

交流が困難」というものは、今まさにコロナの影響を受けて、どの学生団体も直面してい

る課題である。学園祭がオンラインになり、思うように自身の団体で出展することが出来

なかったり、団体同士の交流イベントも中止になる等の課題がある。withコロナ時代の学

生団体の在り方、そして各団体の活動目的を明確化すること、モチベーションを上げる等

取り組まなければならないことは多いと感じる。

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